出せども出せどもなかなか取れないグラントに、作文意欲を失っていた今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
ということで、あれよあれよという間に、ラボ創立1周年、である。
今月から、学部学生さんが2名加わることになった。既に1年近く頑張ってもらっているテクニカルスタッフのHさんと、間もなく正式に加わるポスドクTさんを含め、総勢5人。なかなかそれらしくなってきたものである。
足りないのは、業績だけか(;_;)
先の見えないジョブハンティングを乗り越えてきた
能天気さ精神力があれば、1年くらい科研費が取れなくても大丈夫、などと嘯いていた私。大学院時代の同期で、一足早く国立大教授になった友人Kが、着任直後胃潰瘍で入院した気持ちが今頃になってわかってきた。
自分ひとりじゃないんだよね・・・(;_;)
まあ、悩みの種は尽きないものの、実は楽しくて仕方がない♪ これまで個別のスーパーバイザーの経験はあったものの、正式な指導教員としては初めての学生さんたち。
カトウのノウガキラボ、記念すべき一期生なのである。こんな教育実績のないところによくぞ来てくれたもんだ。
ラボの名称がサトウのキリモチみたいになっているけど、気にしない♪ 嬉しくて、週一のラボミーティングなんか始めてみたり。
学生さんたちの履修登録を確認してみたり。
研究テーマをいろいろ考えてみたり。
あー楽しい♪ ←全部普通
そうだった!
初論文の時はミドルネームをつけることを学生さんにお勧めしなければ。
学生N: ミドルネーム? どうしてですか?
普通、研究業績はラストネームとファーストネームのイニシャルの組み合わせで検索することが多いからね。将来、研究者として自分の業績を調べたり調べられたりする時に、ミドルネームのない日本人は、個体識別が難しいがために損することがあるんだ。
学生N: 自分、就職するつもりなんですけど。
イニシャルが2つある方が個体識別しやすいからね。ミドルネームつけておいて損はないよぉ。<相手の話を聞いていない
学生N:
先生、自分、就職するつもりなんですけど。 最初の論文が出るときに決めておかないと、後で変えちゃったらどれが自分のものか注釈無しで主張しにくいでしょ。ちゃんと考えておかなきゃダメだよ。<相手の話を全く聞いていない
学生N:
・・・あれ? いつの間にか義務になってますが。スタッフH:
先生、パワハラです。 しまった。つい、心の叫びが。いや、けっして無理にとは言わないし、やらないと点数下げるなんてことは絶対しないけど、でもやっぱりつけてほしいなぁ。
スタッフH:
先生、パワハラです。学生N: ・・・いいです。わかりました。で、いつまでに考えておけばいいですか?
ほぉ。それは遠回しに「さっさと論文書け」と。なかなか鋭いですな。まあ、データ取ってまとめるまでに、2年ってとこかな。
学生N:
先生、自分、卒業してます。 ・・・すみません m(_ _)m
かくして、当ラボからの学生さんのオリジナル論文発表は1年後を目標とすることに。やぶへびだったか(;_;)
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- 2012/04/28(土) 02:28:36|
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年末にラボ引っ越しも終わり、気持ちも新たに研究再開。
病棟を一望するロケーションから一転、メインキャンパスに構えた新しい研究室からは、虚空を凌ぐ富士山を一望できる。間に遮るもののない、まさに絶景である。

最寄駅は2つ先になり、駅からラボまでは徒歩15分が20分になった。電車の中、あるいは駅からラボまでの道のりで流れを共にする顔ぶれも、これまでとはだいぶ異なり、高校生や大学生ばかり。自分までもが若い頃に戻ったかのような錯覚に陥る。病院勤務者が老人ばかりという訳では決してないはずなのだが。
通勤途中の駅で停車中、何とはなしにホームを眺めていると、亀田興毅似の高校生が視界に現れた。前ボタン全開でポケットに両手を突っ込み、がに股で闊歩する長ラン・ボンタンの坊主頭。いまどきなかなかお目にかかれないのではないだろうか。
すると、数メートル前を歩いていた制服姿のかわいらしい女の子が、振り向きざま、
女子高生:
なにしてんだよ。さっさと歩けよ。亀田:
はい。 なんと微笑ましい。
最寄駅で降りる。大勢の大学生でごった返す中、前を歩いていた男子学生2人が楽しそうに話している。
男子学生A:寒さもここ2日がピークだって言ってた。
男子学生B:
じゃあ、明後日からは春だな。男子学生A:
そうだな。
人生楽しそうだ。
駅構内を出る。寒風吹きすさぶ中、真後ろを歩く学生の会話が耳に入る。
男子学生C:さみーな、今日も。
男子学生D:
寒いからタクシーで行くか。今日も。 なめんな。
- 2012/01/31(火) 17:28:22|
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<前回の続き>
そして、やはりなんといっても外す訳にはいかないのが、かつて一世を風靡したこのゲーム。
社団法人 人工知能学会が創設20周年記念企画として開発した、アカデミックキャリアデザインゲーム、その名も
「Happy Academic Life 2006」!
簡単に言えば、
大学研究者限定の人生ゲームである。大学助手(2006年当時は助教という職階はなかった)に着任した新年度をスタート地点とし、自らが目指す大学教授像に向かってキャリアを積み重ねるのである。
このゲームで秀逸なのは、キャリアアップの基本が時間のやりくりであるという点にある。右下の金券のように見えるものは、研究時間カード。自分の持ち時間から、各種イベントで費やされる時間を差っ引いた「研究時間」に応じて、論文を投稿することが出来、その採否も持ち時間に左右される。
これに加えて、人脈ポイントや研究資金、受け入れる学生・ポスドクの特性により、研究者としてのキャリアが決定されていく。大学に限定されるものの、自分の目指すゴールは、自分で決めることが出来るというのも面白い。
大学のポジションを得ていなければそもそもスタート地点にも立てないあたりは、
ポスドクの感情を逆撫でしたいとしか思えない設定である訳だが、開発過程を読むと、まあそれも仕方ないかな、と。どうやら、元々のアイデアでは、
助手・教授トラックの前に学生トラックというものが存在したらしいのだが、テストプレイの結果、
4時間経っても誰一人学生から助手にすらなれないという気の遠くなるような状況に陥ったのだそうな。
確かにこれではゲームとして成り立たない。
というか、現実を反映し過ぎて、最早ゲームとは思えない。 実はこのゲーム、やはり在米期間中にわざわざ日本から取り寄せたにも関わらず、一度しかプレイしたことがない。そのたった一度の機会も、盛り上がりを期待してスタンフォードの日本人会の懇親会に持って行ったところ、
ゲーム開始後間もなく雰囲気が険悪なものになり、懇親会にはふさわしくないとの判断からやむなく中止。
ま、「モノポリー」や「人生ゲーム」慣れしている娘達相手に、やって出来ないことはないはずだが、
「科研費って何?」
「論文不採択ってどういう意味?」
「いつになったら教授になれるの?」「どうして泣いてるの?」 次の日から仕事に行きたくなくなりそうだ。
まあでも、せっかくの紹介記事だし、今後ユーモアのわかるポスドクさんや学生さんが来てくれることを見越して、心の準備も兼ねて久しぶりに模擬プレイでもしてみようか。

ゴールはもちろん「業績卓越型」! ・・・ではなくて、「教育者型」にしよう。
ここを見てうちに来る人もいるかもしれないし。 まずは大学カード、そして学生カードを引いてみる。
大道芸人と釣りマニア。 ・・・もしこれが初夢だったら、暴れてるな、きっと。
さいころを転がして、と。お、チャンスカードだ。

そうそう、こういうのがないとね、やっぱり♪ 次は、ワイルドカードか。じゃあ、ここは一つ、研究資金でも。

よっしゃぁ! ・・・って、まだ条件を満たす論文がない(;_;) 次は、学内カードか。

・・・。なんか楽しくなくなってきた。で、今度はプライベートカード?
おいこら。こんな状態で何をしている>自分 自分の職業を否定したくなる前にやめておいた方が無難だな、これは。
他にも、ポスドクカードを引くと、

まさにこういう方に加わって欲しい!というものもあれば、

こういう「え?」と思うようなカードも混じっていて、かなりスリリング。
なんとなくわかってきた。
ゲーム、という余暇を楽しむべきところで、自分に近い状況のリアリティを追求してはいけないということか。 やっぱり、どうせやるなら思いっきり現実離れしてる方が楽しいよなぁ。いっそのこと、自分で作ってみようか。
神経科学と萌えの不思議なコラボレーション?! 各種神経細胞を擬人化した前代未聞の恋愛シミュレーション、その名も「今日も脳天気!」みたいな。
- 2011/11/06(日) 08:47:58|
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大学・研究所に所属する研究者にとって、今は1年で最も胃が痛くなる時期といっても過言ではない。そう。多くの研究者が科研費申請の締切を数週間後に控えているのである。
かくいう私もその一人。そこで、本エントリでは、申請書作成に頭を抱える数多の研究者のために、私の持てる限りの知識・経験を総動員して、科研費申請において「これだけは決してやってはいけない5つのポイント」をリストアップしておこうと思う。
1. 伝聞及び憶測
裁判での証言などとは異なり、科研費申請での研究の背景の説明に当たっては、ある程度の伝聞は許容されている。というか、自らの研究のみに基づく展開は我田引水の謗りを免れず、逆にマイナスに働くことが予想される。
ただ、伝聞は構わないが、どの文献を根拠にした伝聞なのか、その引用先をきちんと明記することが必要とされることは覚えておくべきであろう。つまり、
「
察するに、##は
どうやら疾患原因遺伝子
らしい」
といった曖昧な記述は避けた方が良い。あるいは、
「
この実験がうまくいかないはずがない」
などというあなたの信念に基づく憶測などは、審査委員の知ったことではないので、これもやめておいた方が良い。
また、いくら引用先を明記すれば良いとはいえ、増田のエントリなどは認められない可能性が高い。
2. 他人の悪口
研究の重要性のアピールのためには、これまで何がわかっていて何がわかっていないかを明確に書くことが必須ではあるが、ライバルを貶めて点を稼ごうという書き方は、うまくいかない場合が多い。
「過去に同様の研究を行なった○○らは、
あまりにもやり方が雑なためうまくいかず」
「△△らは
明らかな失敗を繰り返し」
といった言及は、
仮にそれが真実であるとしても、慎むことをお勧めする。万が一○○や△△が審査に加わった場合、問答無用でゴミ箱行きとなる。敵は自分が思っている以上に世間に認められていると認識すべきである。
無論、バカだのアホだのオタンコナスだのいう子供の口げんかレベルの悪口は論外である。
3. エモティコンの多用
文章に緩急をつけることは悪いことではないが、それを (^o^) だの ヽ(´ー`)ノ だの ○| ̄|_ などの顔文字に頼るのは、自らの文章力の無さを露呈することに等しい。
最近増えている研究者ブロガーは特に要注意である。使用は程々にした方が無難と思われる。
4. 台本型式
研究が予定通り進まなかった場合に備えて、バックアッププランを事前に検討することの重要性は言うまでもない。わかりやすさを強調するために、長屋の熊さん・はっつぁんの掛け合いを参考に
ポリ:ここで今流行の iPS 細胞を導入しときゃ、まず間違いねぇって。
審査委員:うまくいかなかったときは、どうするんですかい?
ポリ:そんときゃそんときだ。
といった台本型式を取りたい気持ちはわからなくもないが、
世の中、やって良いことと悪いことがある。5. 大どんでん返し
大切なことは最初に書くのが大原則である。始めからネタばれなんてつまらん!などと言ってはいけない。科研費申請書類は、必ずしも読み物として面白い必要はないのである。事実、数年前、元ボスの研究費申請書類作成の一部を担当した際、原稿を読んだボスに
「・・・アキラ。
オチはいらないから」
と言われたことがある。
これは、「オチがきまった」というところに至上の喜びを感じる、お笑い系ブロガーの最大の弱点とも言える。
どうしても書きたければ、たとえどんな審査委員が担当したとしても確実にウケるという、余程の自信のあるときだけにしておく方が良い。
私の場合、
原稿を何度読み返してもそこはかとなく漂う「脳天気」臭を解消することに、まずは専念したい。なお、蛇足ではあるが、上記のポイントを参考にされるに当たっては、
私が過去一度も、科研費に採用どころか出したことすらない(今回が初めて)ということを念頭に置いておいていただければ幸いである。
- 2011/10/11(火) 00:28:36|
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ラボが移転することになった。といっても、学内の別キャンパスだが。
白ポリ:引越しってわくわくするよね!
黒ポリ:また引越しかいな。うんざりやわ。
・・・あー、またこいつらか。
色が違うだけのエセ別人格だろ、どうせ。白ポリ:同じ自分に対して失礼な言い草だよね。
黒ポリ:自分の多面性をわかっていないんやろ。なんなら他のも連れて来よか?
赤とか青とか。
赤ポリ:ども。青ポリ:ども。 いらん。
うちのラボは、既存の学部に所属しない、大学直属の新しい部門に所属している。そのためか、運営上様々なことが試行錯誤状態にあり、今回の移転もある意味その延長線上にある。
黒:ラボ立ち上げて半年しか経ってへんのに引越しさせられるいうことは、なんか悪いことでもしたんちゃうの?
赤:してない、してない。
悪いことどころか、何も出来てないんだから。 ・・・慰めの方が痛い。
白:まあ、
心機一転して頑張れ、という親心だと思えばいいんじゃない?
だから、
何もしてないのに心機一転とかいう、その優しさが痛いっつうの。
青:
じゃあ、左遷? やかましい。 学部以来、所属したラボの数は今が5つめ。自分がラボを移動するのはもちろん大変だが、大学院時代に所属していたラボで3回引越しをした経験上、ラボが場所を移転するのもかなりのエネルギーを要する。
赤:
そうそう。得体の知れない試薬瓶とか、処分し忘れていた廃棄物なんかが見つかって、怒られてたよね。 いや、そういう話じゃなくて、実験が中断されて再開に時間がかかるという意味で・・・
青:
ラベルの無いサンプルとか、放置していたデータとかが出てきて、言い訳するのが大変だった、っていう話だよ。 ・・・そういう研究者としての資質が疑われるような話を蒸し返すの、やめてくれる(-_-#
黒:大変なら断ったらええんちゃうの。別に大学にそんなに義理立てする必要もないんやし。断ってまえ、断ってまえ。
確かに今回の移転の話は断ろうと思えば断れたのだが、研究環境としては移転するメリットの方が大きいと判断してのこと。
白:
半年経つのにセットアップも全然終わってないから動きやすいしね。不幸中の幸いと思って、前向きに頑張ろー!
・・・ぐっ。励まされてるのか、苛められてるのか(;_;)
業務連絡:こんなラボですが、ポスドク引き続き募集中です。奮って御応募ください。あ、上の話は半分フィクションですよ、フィクション。(移転は本当です)
http://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=0&id=D111080966&ln_jor=0 自宅の引越しも、大変なイベントであることは御承知のとおり。何を隠そう、先日アメリカから帰国したのが、結婚後15年で実に8回目の引越し。
白:よく、女房殺すには年に3回引越しすればいい、とか言うでしょ。奥さんに感謝しないと。
はい。感謝してます m(_ _)m 我が家に全然貯金がないのは、引越しの度に結構なお金を費やすせいでもあるからなぁ。
赤:ヤドカリだって、寿命から考えたらそんな頻繁に引越ししないよ。
黒:ヤドカリ以下やな。
青:違うよ。ヤドカリより引越しするんだから、ヤドカリ以上だよ。
なにそのヤドカリ基準の人間評価。
- 2011/10/02(日) 14:23:20|
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先日注文したブツが届いた。

早速使ってみることにする。

さほど過激ではないデザインの物にしたので、このくらいなら許されるのではないか、と。

ふふふ♪ 可愛い可愛い♪

怒られないか、乞うご期待。
- 2011/09/20(火) 19:38:30|
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水曜日から4日間にわたって開催される、第34回日本神経科学学会。日本の学会に参加するのは、実に9年ぶり。
この学会は
ラッキー残念なことに演題登録が半年も前に締め切られる。さすがに着任前後にそれをやっている余裕は無かったため、今回は遺憾ながら発表無しでの参加となる。参加するからには発表するという私のポリシーには反するのだが、せっかく帰国して自分のラボを立ち上げたのだから、この分野日本最大規模の学会に参加して、日本のサイエンスの現在の流れを肌で感じてこようと思う。
毎晩旧友と飲みに行こうなんて、これっぽっちも考えていない。ほんとに。 この学会に限らず、比較的規模の大きい学会年会の一般演題登録は、開催日の半年程度前に設定されることがままある。逆に言えば、毎年発表する場合には、学会発表の後、半年経つと次の学会発表の要旨を書かなければならないということに他ならない。これは一見当たり前のようだが、少なくとも私にとっては、要旨の書き方に悩まされる一因となり得る。
つまりは、直近半年間に得られた新データについて書かなければならないという強迫観念なのである。「前回の要旨の続きにすれば、1年分書けるじゃないか」という意見もあろうかと思うが、そこはそれ、同業者は学会発表そのものを見に来ている訳で、
「なあんだ、この間の話じゃねーか」
と思われるのは避けたいと思うのが人情である。
だったら、学会発表そのものを、要旨を書いた段階で得られたデータについてのみにすればいい、という考え方もある。しかし、
「こいつ、要旨書いてから半年間何もやってねーのか」
と思われるのも癪である <考えすぎ
ま、自分が思うほど他人は自分のことを気にしていない、と言われれば、まったく以ってその通りであろうし、
半年で学会発表一回分のネタも出せないんじゃ話にならん、と言われれば、あーごめんなさいごめんなさいごめんなさい(-o-) 学会では論文に公表済みのデータしか出さないラボもあって、そういうラボでは上記のような悩みとは無縁ということになる。アイデアやデータを盗まれることを心配しなければならないような競争の激しい分野、ポリシーの違い、その他様々な大人の事情もあるので、自分の考えを押し付ける気はさらさらないが、私自身は、歴代のボスに習い、一般演題での学会発表では、一部あるいは全部を未発表データにすることにしている。手の内を晒すデメリットよりも、議論・コメントなどから得られるメリットの方が大きいと思う、という単純な理由からである。
それでも世の中に同じ考えの人というのはいるもので、つまり、私にとって学会に参加する一番の楽しみは、自分の物・他人の物ひっくるめて、未発表データをこねくり回すことに他ならない。まだかっちりまとまっていない未発表データのグダグダ感、それが学会の醍醐味なんじゃないだろうか。
ポスター会場を回遊していると、
左半分の説得力と右半分のグダグダ感の差が半端ないポスターが散見され、それはそれで非常に楽しかったりする訳である
<左から右まで全面グダグダのお前に言われたくない? あーごめんなさいごめんなさいごめんなさい もちろん、未発表データだからといって、発表そのものがグダグダでいいということにはならないのは百も承知。理想をいえば、未発表データをいかに論文近し!と思わせるか、というのも、研究者の重要な資質である。
自省の意味も込めて、ここ数年のアメリカでの自分の学会発表ファイルを見直してみた。
おー、未発表データをなかなかうまくまとめているじゃないか。
ん? 未発表?? ・・・2007年、2008年分が、まだ未発表だよ(;_;)
- 2011/09/12(月) 00:02:04|
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御存知の方も多いかと思うが、日本とアメリカでは、履歴書の書き方が違う。
自分自身、ジョブサーチ後半ではアメリカだけでなく日本のアカデミックポストにもいくつか job application を出していたので、例えば
・アメリカでは性別・年齢を書かないが、日本では書く必要がある
・アメリカの履歴書には写真を貼ることはあり得ない
などの違いは知っていた。日本向けの履歴書を作成していたとき、ラボの連中に
「なんで写真を貼るのか?」
「
日本のジョブは顔で決まるのか?」
と質問攻めにあったこともある。
ちなみに、現在のポジションは、日本に出した中で唯一、履歴書の応募用フォーマットに顔写真を貼付する欄がなかった。
あ、だから日本で呼ばれたのがここだけだったのか。 ちっ。 前回のエントリに書いた通り、現在のポジションに着任後、テクニカルスタッフを募集した。人材を募集する側に立場を変えて、もう一つ日米の履歴書の書き方の大きな違いに気がついた。
私の知る限り、手書きの英文履歴書というのはいまだかつて見たことがない
(まあ、あの国には他人が読める字を書ける人間がほとんどいないような気もするが)。
ところが。
今回、応募者30人中、ワードで作成した履歴書を送ってきたのは、たったの8人だったのである。
一つには、東洋と西洋の文化の違いに起因するのかもしれない。かなり古くからタイプライターが普及していた欧米の表音文字文化に対し、2種類の表音文字と漢字という表意文字を組み合わせたわが国独自の表記法は、ワープロの変換機能が開発されるまでは手書きするしかなかった。更に言えば、わが国では書そのものが芸術であり、文字一つ一つに魂が込められていて、・・・などと理屈っぽいことをいちいち考えて書いている人は、いないだろうなぁ。
履歴書のフォーマットなんて無料でいくらでもダウンロードできる時代に、手書きの履歴書を作成する理由はなんだろうか。
まず、応募する側から考えてみる。
1. PC・プリンターがないから
これはまあ、ある意味仕方がないといえる。いまどき、PC・プリンターがまったく使えない環境というのは考えにくいが、自前で持っておらず、大学やネットカフェに行ったり、人から借りたりするのが煩わしい人にとっては、手書きにする方が手っ取り早い。
ただ、めんどくさがるのは構わないが、PC を扱う能力がないと思われるリスクはあると思う。
2. 自分の字に自信があるから
8割がた勘違い。3. ありのままの自分を見て欲しいから
婚活じゃあるまいし。4. あとでがっかりさせたくないから
今がっかりさせてどうする。5. 募集する側が手書きを好むであろうと予測するから
真面目な話、手書きの履歴書が圧倒的に多いのは、おそらくはこの理由によるものと思われる。
でも、ですね。言わせていただければ、もう、正直、読みづらい。この一言に尽きる。そりゃ、
日ペンの美子ちゃんレベルなら、読んでて気持ちいいかもしれないが、評価としては減点されないだけの話。タイプされた履歴書より高得点をあげることはない。下手だから読まないということもないが、決してプラスには働かない。手間暇かけて手書きにする理由はどこにもない。
募集する側は本当に手書きの履歴書を読みたいのだろうか。
募集する側の理由も考えてみた。
1. 字の美しさも採用基準のひとつだから
足切り基準に使えるなら、採用担当者にとってこれほど楽なことはないだろう。でも、だからといって字のきれいな人しか採用されない訳でもあるまい。私の周りにも、
字は幼稚園児並みだが人柄もよく仕事のできる一流企業の社員もいれば、
字に気を遣う暇があったら仕事しろ (-_-# と言いたくなる後輩もいる。
大体、もしそんなことしていいなら、今回うちに手書きの履歴書を送ってきた人、ほぼ全員アウトである。
2. 字の書き方を見れば人となりがわかるから
無理。そんなもんでわかるなら苦労しない。
「字は下手だけど一生懸命丁寧に書いている。仕事にも情熱を持って頑張るに違いない」
なんてことがあるのかもしれないが、採用側の理由が本当にこれだと皆が信じているなら、あんな殴り書きの履歴書を何通も読まされることにはならないと思う。
3.
コクヨとの談合 やっぱりよくわからない。メリットがどれもいまひとつしっくり来ない以上、やはり読みやすさ重視で、ワードが常識になってくれることを切に祈る。少なくとも、これを読んでうちに応募して下さる方、手書きの履歴書は一銭の得にもなりません。
あ、もう一つ理由を思いついた。
4.
応募者の本気度を試す
いっそ、「Publication List も含め、全て手書きにすること」と募集要項に記載してみるか <鬼
- 2011/08/25(木) 11:07:59|
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着任してすぐ、テクニカルスタッフの募集をかけたときは、なんと1週間で30人の応募があり、結構あたふたした覚えがある。なので、今回はポスドクの募集広告を出す前に、脳内シミュレーションをやっておこうと思う。
まず、ポスドクのタイプを、
どこかで見たような6つのパラメーターで表すことにする。
「理解力」 ある程度の基礎知識、及び新たな情報を吸収する能力。
「スピード」 実験遂行速度、及び仕事をまとめる手際の良さ。
早ければいいってもんではない。「精密動作性」 実験系研究者には必須。日本人の売りの一つ。
「舎弟距離」 ボスを含むラボのメンバーとのコミュニケーション能力。
誰一人これを持ち合わせておらず、年中お通夜のようだったラボを知っている。「持続力」 忍耐力ともいう。
ポスドクGの辞書には無い言葉。「成長性」 学生・大学院生には重要な要素だが、
実際には現時点で能力を発揮できない場合の言い訳によく使われる。座右の銘が「大器晩成」などとほざく輩はこの点数が高い。募集するのはポスドクなので、既に成長している人に来てほしい気もする。 アメリカにいたとき周りに多くいたのは、こういうタイプ。スタンドで言えば音石明のレッドホットチリペッパーか?

仕事が早く、よくしゃべるが、緻密さに欠け、忍耐力がない。
一言でいえば、雑。 昔、「研究能力さえあれば人間性は問わない」と主張していた知り合いもいたが、やはり

このような、ザ・ワールドタイプは、ちょっとどうかと思う。
余裕があれば、
こういうポスドクGみたいな人もネタ的には欲しいが、ラボ立ち上げ段階ではギャンブルし過ぎなので、やっぱり理想は

こんな即戦力かな。スタンドなら、重ちーのハーヴェストあたりか?
ちなみにPIの場合、上述の要素のうち、「精密動作性」と「成長性」の代わりに「統率力」や「創造力」を重要視しなければならない。が、
応募者から「お前に言われたくない」という苦情が来ても困るので、自分のスペックは秘密。

万が一こういう
スタープラチナ+ヘブンズドアーみたいのが来たらどうするか。・・・PIとして身の危険を感じるので、丁重にお断り申し上げます m(_ _)m
- 2011/08/17(水) 17:43:13|
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