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今日も脳天気

役に立たない♪ 意見しない♪ 仲良きことは美しき哉♪

信じる者

 ボス、いまだサンクスギビング休暇中。
 
 2週間前、ハワイに出発する直前のボスから、ラボメンバー全員に添付ファイル付のメールが送られてきた。
-------------------------------
Please help! If each of you does a couple of these slides for me, it will be a tremendous help!
 
Thanks,
J
-------------------------------
 
 またかよ(-_-)なんか面倒なことになりそうだったので、そぉーっと部屋を出た瞬間、最悪のタイミングでボスと遭遇(;_;) 
 
ボス:あ、ちょうどよかった。こういうスライド、1枚だけ作ってくれる?
 
 1枚だけなら。
 
ボス:神経回路の模式的なイラストなんだけど、こういうインプットが入ったとき、ここの色が変わってピカピカ光るようなアニメーション、できる?
 
 めんどくせーよ(;_;)
 
ボス:で、別のインプットが入ったときはね、・・・(延々と説明)
 
 なまじコンセプトがわかるだけに、面倒くささもひとしお。確かに、アニメーション何パターン詰め込もうが、1枚は1枚ですけど。
 
ボス:他のスライドはね、ほとんど出来ているのよ。ざっと見て、ちょっとでも見た目を良くしてくれれば、とっても嬉しいわ♪
 
 あ、そうなんですか。ちなみにいつトークするんですか?
 
ボス:12月5日。
 
 で、いつ帰ってくるんですか?
 
ボス:12月3日。
 
 じゃあ、帰ってきたら直してる暇はほとんどないっすね。
 
 
 他の仕事もあったので、頼まれたスライドも先延ばしにしていた。昨日ようやく重い腰を上げて作ってみると、意外と簡単だったので、ついでに最初のメールに添付されていたトーク用の PowerPoint ファイルを開いてみた。
 
 ・・・一体なんですか、この大量のピンクラベルは?

 37枚のスライドのうち15枚に、ショッキングピンクででかでかとリクエスト (Need illustration including image of brain slice prep ... とか)が書いてあるんですけど。

 「ほとんど出来ている (It's almost done) 」とか言ってたような気がするのですが、きっと幻聴だったのでしょうね。
 
 
 子供の頃、「あ!」と言われて指差す方に顔を向けると「莫迦は見る~♪」と何度もからかわれたものだが、大人になっても毎回ボスに同じパターンで騙されているわけで、きっと騙される方が悪いのであろう。
 
 そういえば、
「両手をグーにしてこすりつけると、変な匂いがするよ」
と言われて、素直に匂いを嗅ぐと、
 
「ぶりっこ♪」
 
とか、
「左手の親指と人差し指を広げて、顔の幅より広かったら小顔」
と言われて、素直にあごの下に手を持っていくと、
 
「う~ん、マンダム♪」
 
とか、一体何度騙されたことか。
 
 
 「信じる者はすくわれる」という言葉をかみしめる、今日この頃。・・・足もとを、だが(-_-)
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  1. 2007/12/01(土) 05:49:37|
  2. 日々亦研究 ―ポスドク研究者の悲哀
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目がマジ

 うちのラボで週1回行なわれるラボミーティングはジャーナルクラブとプログレスリポートを兼ねている。研究の進展状況を説明するプログレスリポートは、今でこそ週2人ずつだが、かつて人数が今より少なかった頃は、「毎週全員発表」であった。
 
 この業界に携わる方は御存知と思うが、研究なんてそう毎週毎週劇的な進展があるわけではない。
「たとえプレリミナリーなデータでも、情報を共有することで、本人だけでなくラボ全体の研究の進め方に良いアイデアが生まれる可能性がある」
というボスの意図はわかるのだが、そこはそれ、どうせ発表するなら面白いことを発表したいのが人情というものである。つまり、面白いデータがないと、
 
'I have no data today'
'Next time, I will bring some interesting data'
 
を連発することになる。ボスと目が合ったりすると、
 
'…, for sure'
 
と最後に意味もなく付け加えたりする(^^;
 
 
 たまたまそんなことが数回続いた後、ボスから全員に一通のメールが。
 
'There has been a recent trend at our lab meetings for people to come without data.'(原文のまま)
 
「最近ラボミーティングにデータを持ってこないのが流行ってるようだけど。
 
 怖いよー(泣)
 
 翌週のラボミーティング、全員が大量のデータを持ってきたせいで、まあ長いのなんの。
 
 
 以前「矛先」三部作でお話しした、私のメインプロジェクト。システムはほぼ立ち上がったということで、ここしばらくはひたすらデータ取りにいそしむことに。
 ちょっといい感じのデータが取れたので、今後の実験計画と共にボスのところに持っていった。
 
私:最近なかなか調子がいいので、このペースで週3、4回データ取りまーす <大判振る舞いしたつもり
 
ボス:え?なんで週5回じゃないの?
 
私:・・・いや、そうしたいのはやまやまですが、同じ装置を4人が使っているので、私が独占するわけにもいかないし、実験だけじゃなく、手術もデータ解析も論文読み書きもやらなきゃならないんですが。
 
ボス:4人っていっても、一人1日4時間くらいなもんでしょ。余裕で割り振れるじゃない。それに24時間から4時間引いても、まだあと20時間あるわよ。
 
私:・・・単純計算してくれますね(-_-#
 
ボス:なんか言った?
 
 結局、週5回に変更。
 
 
 そして昨日。ボスが笑顔で近づいてきた。
 
ボス:さっき、M(別のラボの PI )に会ってあなたのプロジェクトの話をしたのよ。
 
私:ああ、彼も私のプロジェクト、よく知ってますからね。
 
ボス:あなたがあの実験を週5回やってる、ってMに言ったらね、
 
私:そりゃ大変だ、とか言ってました?
 
ボス:「なんで週7日じゃないの?」ですって。
 
 ニコニコニコ。
 
 ニコニコニコ。
 
 ニコニコニコ。
 
 
 怖いよー(大泣)
  1. 2007/09/19(水) 04:32:06|
  2. 日々亦研究 ―ポスドク研究者の悲哀
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るつぼ

 すったもんだの挙句、実験を手伝ってもらっている学部生のPに、突然、
"Akira-san,"
と呼ばれた。日本人の知り合いでもいるの?
 
学生P:I have been in Tokyo for 3 years.
 
 なんと、幼い頃3年間東京に住んでいたらしい。アメリカ生まれだよね?
 
学生P:No. I was born in Brazil.
 
 え(-o-) よくよく聞けば、お父さんもお母さんもブラジル人とのこと。てっきりアメリカ人だとばかり思っていた。
 
 
 これにより、うちのラボには両親ともアメリカ人という人間が皆無であることが判明。男女の割合が異常に偏っているのに対し、遺伝的背景は妙にバラエティに富んでいる。
 
 ボスはお母さんがポルトガル人。
 ラボマネージャーはウルグアイ出身。
 ポスドクRはフィリピン人。ポスドクGと大学院生Cは中国人。ポスドクSは韓国人。大学院生Mは両親とも台湾人。9月から新たに加入する予定の大学院生Bはマレーシア出身。
 
 日本にいたら、親がどちらかでも日本人じゃない人を探すのが大変である。三代遡っても難しいだろう。さすが、移民の国。
 
 
妻:それだけいろいろな国の人がいて、変な英語しかしゃべれない人間がなんであんただけなの?
 
 
 世の中、不公平だと思う。
  1. 2007/08/04(土) 04:38:36|
  2. 日々亦研究 ―ポスドク研究者の悲哀
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自力本願

 私のことを、ただの能天気なアホだとお思いの向きもあるようだが、一応人並みに悩むこともある。3年に1回くらいは。
 
 レゾンデートルを自問自答するような状況に陥った場合、そこを脱出するには、自分が誰かに必要とされていると認識すればよい。
 
 
次女:だだ!だーだ!
 
 最近、おむつが汚れると、私を呼ぶ次女。妻が替えてあげようとしても断固として拒否するくせに、私を見つけるとおむつ置き場に連行し、自分で寝転がってオムツ替えを要求する。必要とされてるんだなぁ~(-o-)
 
 ・・・そうじゃなくて。
 
 
妻:あたし、明日9時からまた歯医者に行くから、その間次女見といてね。
 
 もし生まれ変われるなら一生歯が生え替わるサメになりたい、と公言してはばからない、歯がボロボロの妻。頻繁に歯医者に通うため、その間、下の子の面倒を見るのは当然私となる。必要とされてるんだなぁ~(-o-)
 
 ・・・いや、そういうことでもなくて。
 
 
 まあ、人から必要とされることは悪いことではないのだろうが、上記のような場合、判断は人に委ねられる。Job hunting も同じ。自分を必要とするかしないか、決めるのは他人。自分ではコントロールできない。
 
 で、いくら優秀な人間でも、そいつがいないと皆が困るか、というと、多くの場合そんなことはない。いなくても、なんとかなることが多い。
 
 遺伝子の機能解明に革命をもたらしたといわれる、ジーンターゲティング法。ある遺伝子産物がどんな役割を果たしているかを、「その遺伝子がないとどうなるか?」という逆転の発想で調べる手法である。
 一見ストレートフォワードに思えるアイデアなのだが、実はそう簡単ではない。例えば、遺伝子Aを欠損させても、別の遺伝子Bが欠損した遺伝子Aの役割を補っている場合、一見何も起こらない(ように見える)。
 だから要らないかというと、そうではない。よく調べてみると、やはり普段は遺伝子Aが大切な役割を担っているのである。その証拠に、一見正常に見える遺伝子A欠損マウスをある条件下に置くと、異常な性質が顕在化してくる。でも、それを見つけるのは簡単ではない。
 
 
 他者に依存した評価に頼っていると、本質に辿り着くのが困難になる。だったら、自己評価してみよう。
 
「自分で自分を雇いたい、一緒に働きたいと思うか?」
 
 イエス。>これは重要なことだと思う。以前の答えはノーだったし。
 
 自分の価値を自分で認めることができ、「誰か」ではなく自分が自分を必要としていることを認識して、初めて他人の評価が更なる自信の裏づけになる。
 
 復活(^o^)
 
 
ボス:あ、ちょうどよかった。この間のデータ、スライド2枚くらいにまとめてくれる?トークで使いたいし。
 
 あー、あれ面白い結果でしたしねー。で、トークっていつですか?
 
ボス:明日。そうそう、ついでに、昨日RとSに頼んだプロットもお願いできる?二人とも来ないのよ。あ、あたし今日の夕方には出発するから。
 
 そりゃ、私がやらないと間に合わないでしょうね。必要とされてるんだなぁ~(-o-)
 
 ・・・だから、そうじゃなくて(-_-#
  1. 2007/07/11(水) 04:52:05|
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そして怒りの矛先は

 水曜日。相変わらず御機嫌斜めのボス。
 
ボス:プロジェクト b メインのグラント、今日が締切なのに、オンラインのアクセスが集中しているみたいで、途中で必ず失敗するのよ!
 
 無茶なこと書いた天罰じゃないでしょうか(-_-)
 
ボス:なんで皆最後の日に申請するのかしらね、まったく。
 
 ・・・いや、あなたにそれを言う資格は(-_-)
 
ボス:ちょっと事務局に電話して、締切延ばせって言ってみようかしら。
 
 このグラント、アメリカでも最も有名かつ高額なグラントの一つである。いくら口達者なアメリカ人でも、さすがにそう簡単に締切日を変えられるとは思えないけど。
 
 1時間後。
   
ボス:金曜日まで延ばしたわ。やってみるもんね。
 
 ・・・マジですか(-o-)
 
ボス:締切まで丸々2日できたから、この図、もっとわかりやすく作り直してくれる?
 
 だから嫌なんだ、この人に余分な時間を与えるのは#
 
ボス:なんか言った? そういえば、もう一つ頭に来ることがあるのよね。
 
 今度は何ですか?
 
ボス:ほら、この間あなたのどアップのムービーを使ってトークしたでしょ。
 
 あー、あのあまり思い出したくない奴ですね(-_-)
 
ボス:あのトークのビデオ、ようやくウェブサイトで公開されたのよ。
 
 ゲッ。恐れていたことが(-o-)
 
ボス:さっきちょっと観たんだけど、トークの最初のジョークが全部カットされているのよ!信じられる?
 
 いや、サイトを訪問する人は別にボスのジョークを聴きたい訳じゃないと思いますけど。
 
ボス:つまんないから、途中で観るの止めたわ(-_-##

 そんなに激昂するほどのことですか?
 
ボス:ほんっとに頭にくるわ、もう。せっかくいろいろ考えて気の利いたこと言ったのに。ちょっと電話して文句言ってみようかしら。
 
 また電話ですか?そんなことで文句言われても、主催者も困るだろうな:)
 
ボス:あなたのどアップはカットされてなかったから大丈夫。
 
 ・・・電話して、そっちをカットするように言っていただけないでしょうか(-_-#
  1. 2007/06/16(土) 04:42:03|
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真の矛先

〈前回のあらすじ〉実験補助のために学部生PをリクルートしてきたポスドクG。「あらかじめ実験手技を身につけさせておけ」というボスの厳命にもかかわらず、Gが2ヶ月間不在となるたった2日前になって、何一つ教えていなかったことが判明した。Pをクビにはしたくない状況で、ボスの考えやいかに?
 
 ・・・こうしてみると、私が長々と書く日記って、4行で済むのね(-_-)
 
 気を取り直して。
 
 Pにやってもらおうとしているプロジェクト a の追加実験、私のメインプロジェクトの一つとはいえ、その手法及び結果は他のすべてのプロジェクトにかかわってくるので、実際には誰が関与しても別におかしくはない。もちろん、私自身はPを supervise することにやぶさかではないのだが、ボスは私にその役をやらせたくないと、事ある毎に口にしている。
 
 Gに説教した後、ボスは私をオフィスに呼んだ。
 
ボス:正直な話、この状況でPを雇うメリットはあると思う?
 
私:もし一から教えるとすると、しばらくの間は誰かがずっと一緒についていなければならないでしょうね。
 
ボス:「誰か」って誰? あなたにはプロジェクト b に専念して欲しいんだけど。
 
私:ポスドク4人の中で、指導できそうな人というと・・・
 
ボス:そうなのよね。Sは来たばっかりだから、人にやらせるよりS自身が実験に慣れて欲しいし。Rは体調の問題で不定期に休むし。Gはいないし# でも、あなたにはプロジェクト b に専念して欲しいんだけど。
 
私:この状況では、やっぱり僕がやらざるを得ないんじゃないか、と。
 
ボス:でも、あなたは毎日プロジェクト b に集中してくれないと困るのよ。今度申請するグラントのプロポーザルに、
『プロジェクト b は、現在のところ世界でうちのラボ以外に実現できるところはない』
って書いちゃったし。

 
私:(小声で)・・・論文どころかデータも取れてないのに、無茶するなよ(-_-)
  
ボス:なんか言った? とにかく、あなたはプロジェクト b が最優先。でも、プロジェクト a の追加実験を誰かがやらなければならないことも事実だし・・・
 
私:Pさえよければ、僕が土曜日にでも時間外労働で指導しましょうか?
 
ボス:あなた、土曜日に来れるの?
 
私:娘の日本語補習校がありますが、数時間ならなんとか。
 
ボス:だったら、プロジェクト b をやってちょうだい。
 
私:うっ。ヤブヘビだったか。・・・いや、今のは軽い冗談ですが、じゃあ、トレーニングコースに出発するまでの今日明日2日間、GがPにできるところまでみっちり指導してくれたら、あとは時間のあるときに僕が見てやる、というのはどうでしょう。
 
ボス:時間のあるときには、プロジェクト b をやってちょうだい。
 
私:・・・そればっかりやな# 
 
ボス:なんか言った? ・・・まあ、でもそれくらいが落としどころかしらね。じゃあ、GとPに可能かどうか聞いてみてくれる?
 
 ということで、最終的には大方の予想通り私が面倒をみることになった。
 
 
 夕方。帰る準備をしていると、再びボス登場。
 
ボス:さっきの話、一応念を押しておくけど、Pの指導にあまり時間を割かないでね。あなたはプロジェクト b をやらなきゃならないんだから。
 
私:またかよ# ・・・はい。わかってます。
 
ボス:ほんとに大丈夫? 思っていたより進展が遅いし、これからはプロジェクト b の進み具合も週2回くらい報告してもらおうかな。あなたのメインプロジェクトは b なんだからね。
 
私:・・・なんか、一言一言プロジェクト b に関する小言が付随しているような気がするのですが。えーと、もしかして、今回の一連の話で、説教されているのは私ですか?
 
ボス:そう。
 
 
 怖いよー(涙) 働くぞー(泣)
  1. 2007/06/13(水) 05:01:21|
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矛先

 ボスの機嫌が悪い。
 
 現在うちの研究室では、3つのメインプロジェクトを走らせている。
 
プロジェクト a・・・他の二つの基礎となる物で、既にほぼ終了(論文1報発表済み)。追加実験後、更に2、3報の論文にする予定。
プロジェクト b・・・ようやくシステムが立ち上がった状態。データ取りはこれから。
プロジェクト c・・・他のラボとの共同研究。トラブルが多く、進展が遅い。
 
 私が中心に取り組んでいるのが、a と b。ボスは b がいたくお気に入りで、事あるごとに b の進展具合を聞いてくる。a の追加実験もまとめとしては重要なのだが、ボスは私に b 以外のことに時間を割いて欲しくないらしく、
 
ボス:Your highest priority is working on the project b.
 
が口癖のようになっている。
 
 プロジェクト c はポスドクGが中心。共同研究先のラボで、
「Queen of Laziness」
と呼ばれているG(呼ばれる方も凄いが、面と向かって呼ぶ方も呼ぶ方である)
、プロジェクト c でグラントが取れたのをいいことに、夏の間、学部生Pを下僕助手として雇うことにした。それが4月初めのこと。  
 相手は学部生。実験をやらせるとすれば、一から教え込まなければならない。ところが当のG、Pとの契約を6月半ばから9月半ばに設定したにもかかわらず、システム神経科学のトレーニングコースに参加するために、なんと明日土曜日から2ヶ月間不在。これが判明した先月5月半ばの時点で、Gの計画性のなさに呆れたボスは半分キレ気味#
 
 そんなことはお構いなしの "Queen of Laziness",
 
G:あたしの実験の手伝いの代わりに、プロジェクト a の追加実験をやらせよう!
 
 苦し紛れの提案ではあったが、ボスの希望と一致したため、一応受け入れられた。
 とはいえ、プロジェクト b 以外のことを私にやらせたくないボス、ポスドクGに、
 
ボス: トレーニングコースに出発するまでに、あなたがPに実験手順を教えておきなさい。
 
と厳命した。プロジェクト a はGのプロジェクトにとっても必要だし、不在の間、Pが実験をこなせるようになれば、Gにとってもメリットは大きい。
 
 で、一昨日の水曜日。Gはこの1ヶ月間、Pに何一つ教えていないことが判明。
 
 ボス、激怒# <当たり前

 問題は、ここで「じゃあPいらない」とは言えない(言いにくい)ということ。学部生にとって、ラボでのバイトは、
 
お金になる <事実
後々推薦状を頼みやすい <条件付事実
最先端の科学を垣間見ることができる(かもしれない) <願望
将来のノーベル賞のお手伝いをすることになる(かもしれない) <妄想
 
などなど、かなり魅力的な仕事である。今更約束を反故にするということは、Pにしてみれば、夏の間の別の仕事を探さなければならないことを意味し、時期的にちょっと遅過ぎる。ボスとしては、自分のラボで学生が不条理に不利益を被るような事態はできるだけ避けたいという。
 更に、ここ数回ラボミーティングに参加しているPが、意欲もあり、飲み込みも早いところを見せたため、ボスはどうやらキープしたいようなのである。
 とりあえずオフィスにGを呼んで懇々と説教したボスだが、2日後にいなくなる "Queen of Laziness" を相手にしていても仕方がない。事ここに至り、話は「誰がPを supervise するか」に移ってきたのである。
 
 続く。
  1. 2007/06/10(日) 03:06:29|
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上手い言い訳

 友人に最近教えてもらったチェーンメール、元ネタらしきものが、とある検索中にたまたまひっかかってきた。流行ってるのかな?
 
 前半は、イソップの「金の斧・銀の斧」の仕立て屋バージョン。仕立て屋の婦人が川に指抜きを落としてしまい、途方に暮れていると、川から神様が、金の指抜き、銀の指抜き、皮の指抜きを持って現れる。皮の指抜きを自分の物だと答えた彼女の正直さに感銘した神は、3つとも彼女に与えた、という話。
 
 後半はいわば「金の斧・銀の斧-仕立て屋バージョン- その後」(^o^) 平易な英語ではあるが、不肖私めが後半のみ訳させていただく。
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 数年後。この仕立て屋の婦人が夫と一緒に川原の土手を散歩していると、不意に夫が川に落ちて見えなくなってしまった。途方に暮れて泣いていると、川から神様が再び現れて、彼女に聞いた。
 
神:どうして泣いているのだ?
  
婦人:おぉ、神よ。主人が川に落ちてしまったのです!
  
 神は水の中に姿を消したかと思うと、メル・ギブソンを連れて上がってきた。
 
神:これがお前の夫か?
 
 神が聞くと、
 
婦人:はい!その通りです!!
  
と彼女が叫んだ。神は激怒し、
 
神:お前は嘘をついたな!それは真実ではないぞ!」
 
 仕立て屋の婦人は答えた。
 
婦人:おぉ、神よ、お許しください。それは誤解です。ほら、もし私がメル・ギブソンを『違う』と答えたら、あなたはきっと次にトム・クルーズを連れてきたでしょう。そこで私がまた『違う』と言えば、あなたは私の夫を連れてきますよね。すると私は『そうです』と答え、あなたは正直な私に、3人とも下さることになるじゃないですか。神様、私はもう若い頃のように元気でもなく、この3人の夫全員の相手はしたくてもできませぬ。だからこそ、私はメル・ギブソンのときに『そうです』と答えたのです。
 
 それを聞いた神は、彼女にメル・ギブソンを連れて行かせた。
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 友人のところに来たメールでは、ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットだったようで、微妙に違っているが、別に仕立て屋の旦那とメグ・ライアンとかでも良い訳で(^^) 女性の方々を敵に回すつもりはさらさらない。
 
 それよりも、この話、昨今の捏造研究論文にも当てはまるのではないだろうか。
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教授:A君、私の仮説に合う結果は出たかね?
 
学生A:いえ、マウス10匹中1匹はそれっぽい感じですが、後の9匹は・・・
 
教授:お、1匹出たのか!じゃあ、それだけ発表しよう!
 
学生A:・・・それって嘘じゃないですか・・・?
 
教授:それは誤解だよ、君。実験が進むにつれて、君はまた違う面白い結果を持ってくるかもしれない。それらの結果で論文3本は書けるかもしれない。でも、もう私も老い先短いんだ。論文3本も書く時間は残っていないかもしれん。君だってなるべく早く学位が取りたいだろう。だからこそ、私は涙を飲んで、その最初の結果を発表しよう、と言っているんだ。
 
学生A:・・・訳のわからない理由付けはやめてください(-_-#
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 いうまでもないが、これはフィクションであり、実在の人物には何の関係もありません。
 
 
以下、元ネタ。
 
Little White Lies

 One day, when a seamstress was sewing while sitting close to a river, her thimble fell into the river. When she cried out, the Lord appeared and asked,
"My dear child, why are you crying?"
 The seamstress replied that her thimble had fallen into the water and that she needed it to help her husband in making a living for their family. The Lord dipped His hand into the water and pulled up a golden thimble set with pearls.
"Is this your thimble?"
the Lord asked. The seamstress replied,
"No"
 The Lord again dipped into the river. He held out a silver thimble ringed with sapphires.
"Is this your thimble?"
the Lord asked. Again, the seamstress replied,
"No"
 The Lord reached down again and came up with a leather thimble.
"Is this your thimble?"
the Lord asked. The seamstress replied,
"Yes"
 The Lord was pleased with the woman's honesty and gave her all three thimbles to keep, and the seamstress went home happy.
 
 Some years later, the seamstress was walking with her husband along the riverbank, and her husband fell into the river and disappeared under the water. When she cried out, the Lord again appeared and asked her,
"Why are you crying?"
"Oh Lord, my husband has fallen into the river!"
 The Lord went down into the water and came up with Mel Gibson.
"Is this your husband?"
the Lord asked.
"Yes"
cried the seamstress. The Lord was furious.
"You lied! That is an untruth!"
 The seamstress replied,
"Oh, forgive me, my Lord. It is a misunderstanding. You see, if I had said 'no' to Mel Gibson, you would have come up with Tom Cruise. Then if I said 'no' to him, you would have come up with my husband. Had I then said 'yes,' you would have given me all three. Lord, I'm not in the best of health and would not be able to take care of all three husbands, so THAT'S why I said 'yes' to Mel Gibson"
 And so the Lord let her keep him.
 
MORAL: Whenever a woman lies, it's for a good and honorable reason, and in the best interest of others. That's our story, and we're sticking to it.
  1. 2007/02/07(水) 12:38:15|
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続・面接綺譚

 大体、面接にはろくな思い出がない。大学院入試二次試験での面接では、試験官の3人の教授の一人が、
 
I 教授:ところで、受験した専門科目3つのうち、一番良く出来たのはどれだと思いますか?
 
 受けたのは分析化学、有機化学、生物化学。どれも満足のいくものではなかったが、中では生物化学がマシだったので、
 
私:生物化学だと思います。
 
 手元の書類に目をやり、一様に小首をかしげる教授3人。
 
 どんだけいたたまれない気持ちになったか(-_-)
 
 後で聞くと、どれも差がないほどひどかったらしい。たまたま私の希望していたラボの競争率が低く、他の受験者が箸にも棒にもかからないレベルだったせいで、やむを得ず合格にしただけだって。
 
 ・・・だったら聞かないでください(-_-#
 
 
 RI○EN にいたときに、同じフロアで「毒入り茶事件」が起きた。事件の1ヵ月後、事情聴取のために警察が来た。当該時間(夜中の0時)に建物の中にいた私は、RIKE○の会議室に呼ばれた。
 担当の警察官二人、リラックスした雰囲気で世間話から始めたが、唐突に、
 
警察官:ところで、当日午前0時頃、あなたはどこにいましたか?
 
 1ヶ月前の話なのでよく覚えてないけど、4階の実験室にいたと思う、と答える。
 
 なぜかまた30分ほど世間話。すると、一人がおもむろに1枚の紙を取り出し、
 
警察官:ところであなた、さっき4階にいたと言ったね。この記録によると、あなた、その時間、1階の放射線取扱室にいたことになってるけど、何してたの?
 
 あー、だったらX線フィルムの現像してたかも。というか、一ヶ月前のこと、そんなにちゃんと覚えてませんがな。
 
警察官:じゃあ、そこを何時くらいに出た?
 
 現像してただけなら、20分くらいで済むと思いますが。
 
 また30分位どうでも良い話をした後、再び手元の紙に目をやりながら、
 
警察官:ところであなた、さっき20分くらいで部屋を出たと言ってたが、この入退室記録によると、2時に部屋を出たことになってるぞ。どういうことかな?
 
 心なしか声のトーンが変わっているような(-_-; もう勘弁してください(;_;) 覚えてないっちゅうの。
 
 
 1時間半も事情聴取されて出てきた私を見て、
 
ラボの同僚:もしかして・・・?
 
 やってません(-_-##
 
 
 面接、きらい。
  1. 2006/12/23(土) 09:09:46|
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面接綺譚

 アメリカでの job hunting で避けて通れないのが job interview、つまり面接である。
 
 今のラボに来るときにも、面接はあった。今となっては良い思い出だが、これがきつかった。アメリカ到着2時間後には、早速1時間のスライドプレゼンテーション。ラボメンバーとそれぞれのプロジェクトの話をした後、ボスと discussion。慣れない英語でのやりとりに結構疲れたので、ホテルに帰ろうかと思ったその時。
 
ボス:このデスクとコンピューター、あなたが自由に使っていいから、フェローシップ用の研究計画、『今』ここで書いてね♡
 
 ・・・え。マジっすか(-o-) 
 
ボス:せっかく来たんだから、後でメールでやりとりするより、ここで直接いろいろやった方が良いし。2時間あげるから、その時点で出来たものを見せてね♡
 
 泣きそうになりながら、思い出すのもおぞましい1枚半くらいの超いい加減な研究計画を書き上げたところ、
 
ボス:これ、総説のイントロにはいいけど、フェローシップ用には漠然とし過ぎているわね。明日までにもう少し具体的に書いてきて♡
 
 ホテルで書け、と(-_-)
 
ボス:じゃあ、ディナー食べに行きましょ。カリフォルニアワインが美味しい店だけど、ワイン好き?
 
 ・・・好きですけど、とても飲む気になれません(;_;)
 
 結局、ディナーの後、ホテルで朝3時までひたすら書き物。翌日も朝からボスと discussion。なにせ、朝も晩もボスかポスドクがホテルまで送迎してくれる。
 
 逃げ場なし(-_-)
 
 幸いなことに、このとき応募したフェローシップはもらうことができたし、この面接にかかった旅費・食費、全部ボスが出してくれたので、文句を言う筋合いは全くないのだが、正直つらかった。
 
 
 実はこのとき、自分の英語理解能力に全く自信がなかったので、ボスの許可を得て discussion をボイスレコーダーで録音していた。原稿書きの助けになるだろうと思って、ホテルに帰って聞いたのだが、
 
 ボスが何かしゃべる。
 
 沈黙。
 
 またボスが何かしゃべる。
 
 沈黙。
 
 
 私、ほとんど声を発していませんでした(-_-)
 
 
 このテープ、今もどこかにあるはず。抹殺しなければ。
  1. 2006/12/20(水) 12:06:23|
  2. 日々亦研究 ―ポスドク研究者の悲哀
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