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今日も脳天気

役に立たない♪ 意見しない♪ 仲良きことは美しき哉♪

アングラ

 
 地下室。屋根裏部屋と同様、なんとなく秘密めいた響きがある。ナウシカはいうに及ばず、外国物のファンタジーでもしばしば出てくる、
「部屋の隅に飾ってある絵をずらすと、そこには地下に続く階段が・・・」
的な場面には、心躍らせたものである。


 何の因果か、これまで所属した研究室は、やたらと地下に縁がある。一番強烈だったのは、大学院の最初の2年間。ボスが就任したばかりの新しい研究室だったため、部屋の確保に困ったウイ○ス研当局が、地下のボイラー室の隣に無理矢理部屋をこしらえた。

 内装はきれい♪と喜んでいたのもつかの間、悪夢のような出来事が起こったのは、ラボができてたった3ヶ月後、忘れもしない1993年7月。・・・いや、6月だったかも <忘れてる

 断続的な豪雨に見舞われた梅雨真っ只中の週末。すぐそばを流れる鴨川の水位は異常に高かった。前兆はあった。日曜日の夜、ラボの前の廊下の床から水が染み出していた。

 月曜の朝、惰眠をむさぼる私の耳元で電話が鳴った。

「今すぐ来れるか!ラボが水浸しになってる!」

 取る物もとりあえずラボに到着すると、「水浸し」なんて生易しい状態ではなかった。ラボ水没。床上25cmまで浸水し、エタノールのガロン瓶がいくつもぷかぷか漂っている。セットアップしたばかりの冷却遠心機、冷蔵庫、レブコなど、実験機器のモーター部はすべて水の中。コンピューターの類が全部デスクの上にあったのが、せめてもの救い。ラボメンバー4人、排水作業が終わるまで、なすすべもなく立ち尽くすしかなかった。


 この地下の研究室、他にもいろいろといらん問題の多い場所だった。ボイラー室が隣にあるため、2月に蚊が大発生したこともあった。どこかのラボから逃げ出し、暖を求めてたどり着いた挙句、餓死したと思われるアフリカツメガエルの死骸を発見したことも 大体、非常階段かボイラー室を通り抜けるしか部屋に入る手段がない、というのも、今考えるとすごい。消防法はクリアしていたのだろうか?



 現在スタンフォードでは、実験室は地下にあり、オフィスが2階。ここに来る前の京大のラボも、実験室が地下でオフィスが2階と、なぜかまったく同じ。そういえば、学部生のとき初めて所属した研究室も、実験室が地下でオフィスが2階だった。

 地下から2階というのは、エレベーターを使うにはちょっと微妙な位置関係なので、基本的には運動も兼ねて階段を利用している。今日も今日とて、ノートといくつかの器具を持って、2階のオフィスから地下へ。

 あ、実験室の鍵忘れた。ちっ、しゃあない。オフィスに取りに戻らねば。ま、運動、運動♪

 どれ、始めるか。・・・あ、記録用紙が足りない。コピー機は2階だ(-_-) ま、運動、運動。

 よし、今度こそ。・・・ガラスピペットがきれている。誰だ、最後に使った奴(-_-# また上行って取ってこなきゃ。ま、運動、運動

 おっと、オフィスに生理食塩水とペーパータオルが届いている。ラボマネージャー一人じゃ大変か。どうせ地下に行くし、手伝うとするか。・・・と思ったら、思いのほか大量で、二人で2往復。ま、運動、運動

 もう何もないよな。ん?電話だ。ボスから? あ、今日個別ミーティングだった。

 本日の午前中やったこと。・・・地下-2階、階段6往復のみ(-_-)                            
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  1. 2007/04/07(土) 09:00:31|
  2. 研究室にて
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10分の約束

 
 日常生活では時間を守るという概念の希薄なアメリカだが、その一方で、セミナーなどのトークの時間は驚くほどきっちり守られる。60分のトークなら、演者は45-50分で話を終え、質疑応答を含めて60分でまとめる。数人が15分のプレゼンテーションを行なうセッションでは、各人が持ち時間を越えることなく、予定通り次のセッションに移る。

 日本の学会が決してタイムテーブル通りにいかないのとは、対照的である。
 
 で、今日のトークセッション。座長であるM教授(推定年齢60歳)が、まず4人の演者を紹介し始めた。1人持ち時間30分、計2時間の予定らしい。更に、
 
M教授:Let me give you a brief introduction for 10 minutes.
 
と言って、今日のトピックの背景を話し始めた。


 30分経過。終わる気配なし(-_-)


 この教授、30cm前方の床を見つめてボソボソ話す、つぶやきシロー系の人で、ただでさえ強烈な睡魔に襲われるのだが、45分経っても続くつぶやきトークに、逆に眼が冴えてきてしまった。


 60分経過。ようやくスライドが終わったと思ったら、

M教授:Oh, just one more thing.

と、ホワイトボードでチョークトークを始めた。どうやら刑事コロンボのファンらしい。


 更に10分話した後、思い出したかのように再び今日の4人の演者の紹介を始めた。この時点で、周りの人の多くが、

「このじいさん、ボ○てんじゃないか?」

と思い始めたことが手に取るようにわかった。




 結局、10分の予定のイントロダクションが75分後に終了。ここからが凄かった。後を任せられた4人の演者、マシンガントークを決行し、一人15分~20分で話をまとめる。最後の人なんか、途中でプロジェクターが動かなくなり、半分で中止。


 あれだけ長かったイントロダクションにもかかわらず、なんと予定をたった15分ほどオーバーしただけだった。・・・座長にあんなに協力的な演者の方々、初めて見ましたわ。



 何事も、例外というのはあるのだ、という話。
 
  1. 2007/01/31(水) 13:52:12|
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