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今日も脳天気

役に立たない♪ 意見しない♪ 仲良きことは美しき哉♪

遊ぶ心

 ソフトボールシーズンも間もなく終了。私が所属するチーム「Myoclonic Jerks」のメーリングリストに、昨日の朝流れた1通のメール。

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Hi All,
Our lab is going to the day game today at ATT park, and we have a few extra tickets. Please respond NOW, or call us to score one. The game starts at 12:30 and you could pick it up from us there, or drop by the lab early this morning to get it.
J
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 Jは別のラボのボス。ATT park とは、言わずと知れたサンフランシスコジャイアンツの本拠地 AT&T Park のことである。
 
 ・・・木曜日の昼から、ラボを挙げての大リーグ観戦ですか?
  
 先週からうちのラボに来た大学院生Bは、先月までJのラボの rotation student。彼女の話によると、Jのラボではジャイアンツ戦のチケットを毎年数十枚購入し、時々皆で観戦に行くとのこと。ついでに、毎月一回、ラボメンバー全員(18人!)でレストランに食事に行くんだそうな。もちろん、全てボスJのポケットマネー。
  
白アキラ:これって、公私混同だと思うけど。
 
黒アキラ:ええやん。どこかの国の教授のように、研究費の流用してるわけでもないんやし。
  
 日本だったら、この手の公私混同を快く思わない人も多いかもしれない。京大にいたとき、平日に行なわれていた研究室対抗ソフトボール大会に、事務からクレームがついたことがある。頭の固いお偉いさんが、勤務時間外の開催を主張したらしい。
 
白アキラ:やっぱり、勤務時間中のソフトボールはまずいんじゃない?
 
黒アキラ:そんなもん、土日やったら誰も参加せえへんて。
 
 ごもっとも:) 結局、例年通り平日に開催され、例年通り事務室も1チーム作り、試合の後にはバーベキューもやってたような記憶がある。本音と建前は違う、という好例である。
 
白アキラ:日本にいてもアメリカにいてもソフトボールばっかりやってるよね。
 
 やかましい(-_-#
 
 
 真摯に研究に取り組んでいる人に怒られるかもしれないが、実は私、こういう公私混同、遊び心は大好き。研究者としては、結果さえ出ていれば文句を言う人は少ない。実際、前述のJのラボは、スタンフォードの中でも非常にアクティブに結果を出しているラボの一つである。
 
黒アキラ:まあ、研究なんて元々は金持ちの道楽な訳やし。懐に余裕があれば、心の余裕も生まれるわな。
 
 金の話はともかく、真面目にこつこつ励む研究から生まれるものもあれば、バリー・ボンズのホームランを見て閃くアイデアもあるかもしれないと思う。
 ひたすら真剣に野球に取り組むヤンキース松井の大ファンであると同時に、どこまで本気かわからない日ハム新庄のスタイルも、決して嫌いではないのである。
 
白アキラ:お笑い芸人の野球チームじゃないんだから、遊び心だけじゃダメでしょ。
 
 ばれたか。
 
 
 目指せ、研究界の新庄剛志!(ただし、ラボメンバーには松井希望)
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  1. 2007/08/25(土) 05:13:30|
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銀幕デビュー

 プレゼンテーションの構成で、一番大切なのは導入部である、と教わったことがある。聴衆をいかに惹きつけるかで、プレゼンテーションの成否は7割がた決まる。
 
 私の研究テーマは、大きなくくりで言うと、神経科学 <大き過ぎ(^^;
 それじゃああんまりなので、もうちょっと詳しく言うと、学習メカニズムの解明、ということになる。
 
 コンピューターのキーボードに「A」と入力すれば、モニターには「A」と出力される。犬に骨を見せれば、喜んで飛びついてくる。  
 これらのシステムは、ある入力に対して出力が決まっている。ところが、トレーニングによって、同じ入力に対する出力を変えることができる。これを「学習」という。
 
 周りに苦い薬を塗った骨を提示することを繰り返せば、その犬は骨を見ても喜ばなくなるだろう。キーボードに「てんとうむしのさんば」と入力して「てんとう虫のサンバ」と何度か変換させれば、すぐに一発変換できるようになる。二度と「店頭無視の産婆」と変換されることはなくなる:)
 
 というような一般的なことを面白おかしく紹介しながら、プレゼンテーションを始める訳だが、適切な例というのはなかなか難しい。うちのボスは、ここ2回ほど、野球を例に挙げていた。トレーニングを繰り返すことによって、初めは打てなかった剛速球が打てるようになる。人気選手の画像が出てくると、それなりに出だしは盛り上がる。が、そろそろ飽きてきたらしい。
 
 
 昨日、突然ボスに呼ばれた。
 
ボス:ちょっとここに立って。うん、うんって頷いてくれる?
 
 見れば、手にデジカメを持っている。
 
ボス:じゃあ、次は首を横に振って。
 
 こうですか?
 
ボス:もっと眉をしかめて。
 
 へ?
 
ボス:OK。ついでに、どうやって PowerPoint にムービーを入れるか知ってる?
 
 聞けば、Stanford Celebrates Women in Bioscience というイベントでトークを頼まれたらしい。本番は今日。相変わらずのぎりぎり君である(-_-)
 
 今回は聴衆が神経科学の専門家ばかりではないので、あまり難しい話はできない。野球の例に飽きたボスが新たに思いついた例というのが、
 
ラボに来たばかりのポスドクは、ボスの言うことを何でも「はいはい」と聞く

長くいると、ボスの言うことを聞かなくなる

これも学習の一形態である

 ボス、私のどアップをプレゼンするつもりらしい。大ホールのスクリーン一杯に私のアホ面(-o-) 試しにモニターで流しながら、他のラボメンバーと爆笑している。しかも、更なる爆弾発言。
 
ボス:This will be filmed and posted on the web.
 
 げっ。
  1. 2007/05/02(水) 09:10:23|
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心理戦

 これまでの人生、基本的に私は周りの人間に恵まれていると思う。今のラボでも、人間関係で嫌な思いをしたことは、4年間で一度もない。
 
 とはいえ、毎日毎日同じ面子と顔を合わせていると、プチ気まずい場面に遭遇することもままある。以下は、うちのラボで比較的頻繁に起こるシチュエーションである。
 
 
 うちのグループは、4人のポスドクがそれぞれ独立のプロジェクトを持って実験している。動物飼育施設の一室が我々のラボに与えられ、そこで各々自分のマウスを飼っているので、実験の際には、動物飼育施設から自分のマウスをカートに乗っけて、実験室まで運んで来なければならない。
 
 この動物施設、実験室からちと遠い。往復15分くらい。なので、実験に使用するマウスは自分で持ってくるが、実験が終わり、マウスを施設に戻す段になると、結構億劫になる。カートがあるので、マウスケージ1つ運ぶのも5個運ぶのも手間としては一緒な訳で、次の実験予定者が自分のマウスを取りに行くとき、あるいは実験を終えて施設に戻しに行くときに、ついでに持って行くくらいは、誰にとっても大したことではない。
 
―アメリカ人ポスドクEの場合―
 
 彼は実験を終え、次に私がサインアップしているとする。実験室に行くと、マウスケージが置いてあり、上にはメモが。「これ、ついでに戻しといてくれると助かるんだけど。サンキュー」 ・・・本人はズラかっているので、問答無用である。
 
黒アキラ:ったく。このままほっといたろか(-_-#
 
白アキラ:しょうがないよ。別に大した手間でもないし、ついでに戻しといてあげれば?
 
 お、出てきたな、天使と悪魔。
 
 ま、毎回という訳でもないし、実際のところ、彼と心理的駆け引きをすることはないので、スマートなやり方だともいえる。
 
―アメリカ人ポスドクAの場合―
 
 彼は元々気を遣う性質なので、同様のシチュエーションでも、逆に
「ケージ番号教えてくれれば、俺のを戻すついでに、お前のマウス持って来てやるよ」
などと言う。そうまで言われるとこっちのボランティア精神も刺激される。
 
白アキラ:お互い様だし、快く持って行ってやろうよ。
 
黒アキラ:おいおい、始めっから計算しつくされた作戦かもしれへんで。人がええのもほどほどにしといた方がええんちゃう?
 
 ・・・いや、そんな疑わんでも。
 
白アキラ:いいじゃん。今度なんかおごってくれるかもしれないし。
 
 ・・・こらこら。
  
 彼との場合、お互いに自分から協力を申し出ることが多いので、特に気まずくなることもないが、たまたまどっちかに頼むことが続くと、微妙に頼みにくくなって、あえてタイミングを外したりすることもある。
 
―中国人ポスドクGの場合―
 
 こいつの問題点は、始めっから人に頼もうとする姿勢である。別に悪い奴ではないのだが、こっちから申し出る前に、毎回
 
G:悪いけどついでに持って行ってくれる?私、ちょっと用事があるし
 
と言われると、あまり気分はよろしくない。
  
白アキラ:ま、ついではついでだし、持ってってあげれば?
 
黒アキラ:用事があるとか言うて、ネットサーフィンしてたりすんねんで。おかしいやん。
 
白アキラ:自分だってネットサーフィンしてるじゃん。
 
 しまった。
 
 Gの次に誰もサインアップしていないときでも、うっかり実験室に入ると、
 
G:あとどれくらいラボにいる?
 
 これには注意して答える必要がある。うっかり1時間とか答えてはいけない。  
 
黒アキラ:ほれ、また"Would you mind …?"が始まったやんけ。甘い顔してるとつけ込まれるで。
 
白アキラ:頼まれちゃったものは仕方ないし、やってあげれば?
 
黒アキラ:忙しいって言うたらええやん。
 
白アキラ:それよりも、飼育部屋でめっちゃわかりにくいところに戻しておけば?二度と頼まれないかもよ。
 
 ・・・言ってることは、ある意味白黒違わないように聞こえるんだけど。ほんとに君ら、天使と悪魔か?
 
白アキラ:(ニヤリ)
 
黒アキラ:(ニヤリ)
 
 
 ・・・こえーよ(-_-)
  1. 2007/04/22(日) 23:23:55|
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人間性

 今回の Lab Ski Trip では、図らずもラボメンバー数人の人間性が明るみに出ることになった。
 
 二日目の夜、誰かが
「ゲームしよう!」
と言い出した。'Mafia' というパーティーゲーム。私は初めてだったが、どうやら有名な心理ストラテジーゲームらしい。いろいろなローカルルールがあるようだが、これが面白かった。
 
 まず進行役が配るトランプのカードに従って、Mafia 2人、Sheriff 1人、Detective 1人を決める。Sheriff、Detective を含め、Mafia 以外は全員 Town people となる(本人以外、配役はわからないようにする)。 ゲームの目的は、Mafia を殺すこと。Mafia は最後まで生き残れば勝ちとなる。原則として、Mafia により夜に一人、全員の投票により昼に一人ずつ殺されていく。
 
 夜。全員目を閉じる。進行役が、
 
"Mafia, wake up."
 
と言うと、Mafia の2人は目を開ける(この時点で Mafia 同士は誰が Mafia なのかわかる)。進行役に、
 
"Who(m) do you want to kill?"
 
と聞かれた Mafia 2人は、目配せしながら殺す人を一人決めて、進行役に知らせ、目を閉じる(声を出したり動いたりしない)。同様に、進行役は Sheriff と Detective を順番に起こす。Sheriff は夜に Mafia に殺されようとしていると思われる誰か一人の命を助けることができる(自分でも良い)。Detective は誰か一人についてだけ、進行役に Mafia かどうか無言で尋ねることができる。
 
 夜が明ける。まず進行役は、夜に Mafia から指定された人に、
 
"I'm sorry, you are dead."
 
と言い、その人はゲームから排除される。もし該当者がたまたま同時に Sheriff にも指定されていれば、
 
"Fortunately, nobody was killed last night."
 
となる。
 そして今度は、誰が Mafia なのか探り合いが始まる。怪しい人が2、3人ノミネートされ、生存者の投票で過半数を超えた者が一人処刑される。
 
 これを繰り返していくことになる。夜中に Mafia によって殺される人は、Sheriff による救命以外に助かる術はないが、日中に殺されるかどうかは、日頃の行ないと言い訳の上手さがものを言う。
 理路整然としゃべりまくる人間は、それを恐れる Mafia によって排除されやすい。また、しゃべりすぎると皆に怪しまれるが、あまり無口でニコニコしていても、逆に怪しまれる。日中はフリーチャッティングなので、非常にタフな心理戦が繰り広げられることになる。  
 投票前には自己弁護の機会が与えられるのだが、もっともらしい理屈を並べる者、泣き落としに走る者、口論を始める者等、これを聞いているだけで結構面白い。もちろん、自分のときは面白いどころの話ではない(-_-)うまく言い訳しないと速攻で排除されるので、英語が苦手とか言ってる場合ではない。
 
 Town people だった最初のゲームで生き残ったのは、おそらく日頃の行ないが良かったせいだと思うが(^^)、Mafia だった2回目のゲームでは、Town people を罠に陥れ、仲間の Mafia も裏切って闇に葬り去り、最後に生き残ったところ、 皆に
 
"I never trust you (-_-#"
  
と言われた。3回目もなぜか Mafia。今度は始めっから疑われ、毎日投票にかけられたが、舌先三寸で再びしぶとく生き残った。
 
 ・・・もう誰も信じてくれないかも(-_-)
 
 
 今回の旅行中、もう一つある出来事があった。二日目、全員で集まるはずだったゲレンデでのランチに、最近ラボメンバーになったばかりで、初めての Lab Ski Trip だったポスドクSが来なかった。ロッジに帰る時間になっても、Sは姿を現さない。夕食の時間になってもロッジに戻ってこない。心配していたところ、大学院生のMが一言。
 
"94.7% of us are here. It's good score, isn't it?"
 
 ・・・おいおい。100% じゃないとあかんやろ(-_-)
 
 調子に乗ったM、
 
"Let's ask J(ボス) who is the most deletable in the lab."
 
 ・・・聞けるか、そんなこと(-_-#
  1. 2007/04/14(土) 07:19:31|
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続々・ぎりぎり君 -大団円?編-

 ぎりぎり師弟コンビの珍道中、盛り上がって参りました:)

 
3月7日(水)。午前中はラボ全体のミーティング。午後、ボスと Discussion を詰める。短い論文なので、インパクトを与えるような Discussion にする必要がある。午後9時くらいにどうにか論文としての体裁が整い、ボスがラボメンバー全員に

「全体に目を通した上で、明日の午前中までにコメント頂戴」

という無理な注文
メールを送りつけた。
 
 
3月8日(木)。Visiting scholar のMが昨夜のうちに早速コメントを送ってくれていた。ボスは上機嫌で、
 
ボス:まさか、M以外誰もコメントくれない訳じゃないでしょうね(原文:We have not heard from anyone else. I hope M is not the only person in the lab willing to help out with comments on such short paper.)
 
という脅迫じみたメールを、再度ラボメンバー全員に送りつける。Mのコメントがまた痛いところをついていたせいで、大幅改訂を余儀なくされる。ボスに脅された他のラボメンバーも、次々とコメントをくれるのは良いのだが、君達、投稿するのは明日だということ、わかってる? 対応しきれません#
 
 ボスは new version ができる度に、
 
「なんとかいけそうね♪」
 
とか能天気なことを言っている。
この日、帰宅は午前2時。
 
 
3月9日(金)。昨日の version と全然違う物ができているのが信じられない しかも、この期に及んで、
 
ボス: 昨日良いフィードバックをたくさんもらえたから、もう一回皆に読んでもらおう♪
 
とのたまった挙句、ラボメンバー全員に再送信。皆も災難である。昨日の脅しが効いているのか、細かい直しをしているうちに、更なるコメントが続々到着。岡目八目とはよく言ったもんである。・・・もう勘弁してください(泣)
 
 ついでに、すっかり忘れていたのだが、ボスは明日スペインに出発するはず。しかも旦那と子供2人(2歳&0歳)連れ。聞けばパッキングも何もしていないらしい。ボスとのミーティング中、旦那から頻繁に電話がくる。どうやら旅行準備と子供の世話を全部旦那がやっているようだ。旦那も災難である。合掌(-_-)
 
 午後9時。完成。

ボス:できたわねぇ~♪ やればできるものねぇ~♪
 
 ボス、踊ってるし:-) 脇でMが、
 
M:そのペースなら、年間50本書けるね。
 
 書けるか、そんなもん#
 
 
 ということで、4月早々に始まるボスの tenure レビューになんとか一役買えた訳だが(ラボがお取り潰しになると困るので他人事ではない)、今回の一件で自分の将来にちょっと不安が芽生えた。うちのボス、元々書き物は達者なのだが、まさか1週間強で論文1本書けるとは思わなかった。当然のことながら私一人では不可能だった訳で、もしこれがラボを持つのに必要な資質だとすると、私は絶対ボスにはなれないと思う。
 
 
 最後に一つ。ボスがプレゼンするスペインでのカンファレンス、実際に始まるのは3月26日から。にもかかわらず、3月10日に旅立って行った理由は、
 
ボス:だって、せっかく行くんだから、ついでに家族でスペイン旅行でもしようと思って♪

 ほぉ(-_-#
  1. 2007/03/18(日) 04:15:01|
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続・ぎりぎり君  -波乱万丈編-

 Mr. Last Minutes の異名をとる私だが(<威張るな by 妻)、ボスの危機感の無さにはさすがに敵わない。
 
 前回の日記で書いた通り、ボスが第一稿を持ってスキーに行ったのが3月3日(土)。3月9日までに投稿することはあきらめたのだろうと思い込んだ私も、御存知の通り (*1)、牡蠣三昧の週末を過ごした♪
 
 
3月5日(月)。Methods、Results、Figure の直しと引用文献リスト作成を私に指示したボスは、この日も早々に帰宅。相変わらず、切羽詰った雰囲気は微塵も感じられない。

 
3月6日(火)朝。大幅改訂された Introduction がメールで送られてきた。早速読み始めると、ボス登場。
 
ボス:一通り読んだら、オフィスに来て話し合いましょう。
 
 了解。午後は実験が入っているので、11時くらいでどうすか?
 
ボス:OK。・・・一応言っとくけど、私、今週金曜日に投稿するの、あきらめてないからね。
 
 え?えーーー!?マジっすか??・・・今週の実験、オールキャンセル決定(-_-)

 しかも、ここで妻から電話。
 
妻:ちょっとぉ、なんで大学にいるの?
 
 なんと、妻はこの日朝いちで歯医者の予約を入れていた。その間次女の面倒を見る人が必要なので、私が長女を学校に送った後(毎朝自転車で一緒に行っている)、すぐ家に戻ってくるもんだと思っていたらしい。・・・聞いてねえ#
 たまたま義妹が日本から遊びに来ていた訳だが(*1)、人見知りの激しい次女、この時点でまったくなついていなかったため、ボスとのミーティングを午後に延期してもらい、やむを得ず自転車で帰宅。論文を気にしながらも、次女と2時間半、意味もなく戯れる(-_-)
 
 12時半。再び自転車で大学へ。バイクレーンが整備されているから走りやすいとはいえ、片道6マイルを一日2往復する羽目になる(-_-)
 
 結局この日は Introduction を詰めるだけで、夜11時までかかる。しかも、まだ解析しきれていない補足データも必要なことが判明。私はあまり家で仕事しないのだが、とてもそんなこと悠長なことを言っている余裕はなく、朝3時頃までデータ処理。
 
 ・・・修羅場はまだまだ続く(-_-)

*1 第四章163 ページ参照
  1. 2007/03/17(土) 04:46:51|
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ぎりぎり君

 事の発端は1ヶ月前に遡る。2月半ばのボスとのミーティングで、彼女が突然、

「あと3週間で、このデータを論文にしましょ」

と言い出した。私の場合、論文を書き始めて投稿するまで、通常3-4ヶ月はかかる。文章を書くだけでなく、図や表の体裁も整える必要があるし、何より、執筆中、実験を完全にストップさせる訳にはいかない。3週間というのは非常にきついのだが、理由を聞いてとりあえず納得した。
 
 
 原則として、アメリカの Assistant Professor は tenure-track と呼ばれる5年ないし7年(大学により異なる)の任期付きのポジションであり、tenured つまりパーマネントの教員(Associate Professor)になるために、レビューを受ける必要がある。
 うちのボスは Stanford で Assistant Professorになって7年目。Tenure のレビューが近々始まるので、そのための業績として、なるべく多くの論文を出しておきたいらしい。通常、投稿中の論文は業績にはカウントされないのだが(投稿するだけなら誰でもできる。しょうもない論文は速攻で却下されるだけの話)、tenure package では投稿中の論文も意味があるとのこと。
 
ボス:レビューの主査の教授に、『もう1本、3月1日までに投稿する』って言っちゃったのよ。
 
 だったらもっと早く言ってくれれば良いのに#
 
ボス:3月1日は無理でも、私、スペインで行なわれるカンファレンスに参加するために3月10日に出発するから、それまでには出したいわね。
 
 10日しか違わないぢゃないですか##
 
 
 大体この人、元々私に輪をかけた「ぎりぎり君」。以前にもこんなことがあった。とある小さなカンファレンスを翌日に控えて、私がラボでポスター作りをしていると、ボスが部屋に入ってきた。前日になってまだポスターができていないのは、普通かなり気まずい状況なのだが、
 
ボス: どお?
 
私: まだちょっと時間かかりそうです。
 
ボス: 私もまだ全然できてないのよ、明日のトークの準備♪
 
 ボスのトークは、翌日のカンファレンスの一番目:-)
 
 
 まあ、とにかく急いで論文を投稿しなければならないことはわかったのだが、この時点でまだ大筋さえもできていなかったので、まずどんなストーリーにするかボスと連日話し合うことになった。データは揃っているので、あとは如何にエキサイティングな話にするか、である。
 
 ところが、12月に別のポスドクが投稿した論文のリバイスが重なり、ボスはそちらを最優先にしている様子。私をラッシュするわけでもなく、結局アウトラインが決まったのが2月26日。実際に文章を書き始めたのはこの日から。
 
 
 3月2日金曜日。非常にラフな第1稿を書き上げ、ボスに渡した。2時間ほどディスカッションした後、
 
ボス:スタートとしてはいいんじゃない? 私、今晩から週末ずっとスキーに行くから、その行き帰りにでも読んでおくわね。

 ・・・とても明日明日 tenure のレビューを控えている人とは思えない危機感の無さ(-_-) アメリカの締切なんていい加減だし、私はこの時点で、ボスがスペインに出発する前に投稿することを諦めたのだとばかり思っていた。
 
 
 ところがどっこい、ここから怒涛の1週間が始まるのである。長くなったので、続きは次回。
  1. 2007/03/14(水) 11:53:25|
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下手な言い訳

 ラボのデスクで使っているコンピューターは、私がこっちに来た4年前に買ってもらったもので、ラボの中でも2番目に古い。最近、処理速度が滅法遅くなり、ネットサーフィン仕事に支障が出てきたので、ボスに言ってみた。
 ラボで一番古いコンピューターを使っているボスも、同じ不満があったようで、とりあえず二人とも、メモリの増設をすることにした。

 メモリカードが届いたので、早速インストールしてみた。快調(^o^)

ボス: Now, your project could be done more quickly.(最高の笑顔で)

 あ、しまった。コンピューターのせいにしていたのはバレバレだったか。

私: Now, you could read drafts of my paper and application, and give them back to me more quickly.(最高の笑顔で)
 
ボス: …That's a good one.
 
  
 実験も、原稿読むのも、コンピューターの処理速度とはなんの関係もない。
  1. 2007/02/18(日) 19:05:51|
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再対決

 相変わらず日々繰り返される、研究室での子供自慢合戦。今日は、ボスが私に
"Do you still play Santa Claus to your daughters?"
と尋ねてきたところから始まった。
 
 我が家の7歳の長女は、いまだサンタさんを心から信じている。いつまで信じるか試してみたい気がするので、昨年のクリスマスも、彼女の夢を壊さないよう、私が精一杯の演技力を発揮した。ボスの上の娘さんはまだ2歳。うちと同様、サンタクロースは実在するという教育をしているとのこと。
 
 これを聞いていた、同じく2歳の娘さんを持つポスドクG、
 
G:That's so wrong.
 
と、我々を断罪。
更に、
 
G:My daughter is smart enough not to be tricked by that any more.
 
 ・・・うちとボスの娘はアホだ、と言いたい訳かい(-_-#
 
 
 それに対して、ボスはやっぱり今回も大人の対応。
 
ボス:You don't have to lie to her, but my daughter still believes Santa Claus.
 
と軽く流した後、娘さんのユーモア溢れるサンタさんへの思いを話してくれた。
 
 アメリカでは、クリスマスイブの夜、サンタさんに宛てたお手紙と一緒に、Santa Snacks と呼ばれるお菓子を置いておく。「配達、御苦労様」みたいな感じか? (おかげで私は去年大嫌いなマシュマロを食わされる羽目になったが#)
 
 で、ボスの娘さん。サンタさんのためにクッキーを準備したのだが、枕元に靴下と一緒に並べているうちに、どうしても我慢できなくなり、全部食べちゃったんだって:)
 
"You shouldn't have had Santa Snacks."
 
とお母さんから言われた彼女、あっけらかんと、
 
"He wouldn't mind."
 
 更に、
 
"So, what do you give him?"

と聞かれ、やおらキッチンに向かった彼女、夕食の残りのラビオリを皿に載せて、枕元に:)
 
 お父さん、やむを得ず夜中に暗闇で残り物のラビオリを食する羽目に。
 
 
 次の朝、プレゼントと共に、サンタさんからの手紙が。
 
"I DO mind where my cookies are!"

 
 
 ここまできても、空気が読めないポスドクG、
 
G:I can tell her the truth.
 
 ・・・うちの娘の前で言ったら、殺す#
  1. 2007/01/17(水) 11:26:40|
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混線

 少数精鋭、つまりほとんど精鋭がいない:-) うちのラボも、近々人数が増えることになり、Department のコンピューター担当者がラボ内メーリングリストを作ってくれた。先週から、ラボ内のお知らせがラボメーリングリストで流れてくる。
 ほとんどは、セミナーの予定とか、ミーティングで紹介する論文の要旨とか、味も素っ気もないメールであるが、昨日いきなり、
"Words To Live By"
という、ちょっと毛色の変わったメールが送られてきた。内容は、いくつかの格言めいた言葉と、それに合わせたトゥイーティー(カナリア。漫画のキャラクター)のイラスト。
 例えば、
 
"Anger is a condition in which the tongue works faster than the mind"
「怒りとは、舌が心よりも速く回転する状態のこと」
 
 隣に怒ったトゥイーティー:-)

 差出人は、Department の事務にいる、うちのラボ担当の女性。一体何事かと思って聞いてみたら、案の定間違って送ってしまったらしい。
 どこと間違って送ったのか聞きたかったけど、
"It's so embarrassing!"
を連発しているので、気の毒でそれ以上聞けなかった。
 
 
 メーリングリストは意外と怖い。RI○EN にいた頃、メーリングリストで全所内に回った以下のメールには、一瞬目が点になった後、大笑いさせていただいた。
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Subject: [bgd:31] [brain:38] Re: [nrs:12] [brain:37] R○KEN OPEN DAY 4/16

お久しぶりです、私のキリンちゃん!
17日でしょ?

○○○○拝

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 武士の情けで名前は伏せておくが、この人、とあるラボのボス。Subject から察するに、デートの約束を、うっかり RIK○N の一般公開のお知らせに返信してしまったらしい。しかもこの人、既婚者なのに、キリンちゃんは奥さんではなく別の女性だったからさあ大変。上層部からきつくお灸をすえられたとのこと。
 
 ・・・ま、何が恥ずかしいって、「私のキリンちゃん!」だからねぇ(^_^)
 
 ちなみにこのメール、見てはいけないものを見てしまったような気になったウブな私は速攻で捨てたのだが、○IKEN の元先輩が、先日わざわざ送り直してくれた:)
 
 皆さんも、メーリングリストを利用するときは、くれぐれも気をつけましょう。
  1. 2006/12/13(水) 15:28:49|
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