私のモットーは「刹那主義」。今この瞬間が楽しいことが一番大事。
しかし。
この国で職を得ようと考えている今日この頃、このモットーが必ずしも通用しないことが徐々に明らかになってきた。
*ちなみに、私の人生訓は「大言壮語」「前途洋洋」「大器晩成」。座右の銘は「我が人生に一片の悔い無し」。処世術は「大丈夫」である。
(いい加減にしろ by 妻)
Visiting scholar の M は、サバティカルを利用して、1月から半年間うちのラボに来ている。サバティカルとは、アメリカで一般的に普及している、研究のための長期有給休暇制度である。大学教授が7年に一度、一年間通常の職務を離れて、自分のやりたい研究に没頭できる。
M はとある東海岸の大学の Assistant Professor。つまりまだ tenure-track の身分でありながら、サバティカルが取れるという。羨ましいと思ったのもつかの間、実は厳しい現実が裏にあった。
通常、tenure-track の PI は、一定の期間(5−7年)を過ぎると、tenure、つまりパーマネントのポジションに就くための審査を受ける。Tenure-track の間に良い業績を出さないと、tenure は取れない。
ところが、M が Assistant Professor のポストを得た大学は、元々教育中心を謳っており、教育の duty(授業や学生のための雑用)が非常に多い。そのため、tenure-track の期間中に業績を出すことが困難であることを大学側が認識しており、サバティカルを取らせて、業績を出すことを奨励しているのだそう。
とはいえ、わずか1年でエキサイティングな仕事などそうそうできるものではない。
で、どうなるかというと、多くの tenure-track の PI は、サバティカルを利用して就職活動をするという本末転倒が生じる。M もそう。当然 tenure ではなく、研究環境がマシな別の tenure-track の職を再び探すことになるわけで、ある意味二度手間である。
M や、私と同様にこちらで job-hunting をしている人達の話を総合すると、
−教育中心の大学:tenure-track のポストを得るのは難しくないが、研究する時間が少ないので、次のステップが大変
−研究中心の大学:最初のハードルは高いが、研究に費やす時間を多く取れるので tenure を取りやすい(かもしれない)
前者は後者に比べ研究に意欲のある学生やポスドクも少ないので、道は更に険しくなる。M のラボは、大学院生が一人いるだけだそうだ。
初めは「ラボを持つことさえできればあとは何とかなる」と考えていたが、どうやらこの考えは甘いようである。
妻:そのおばかな人生観を早く改めて、もう少し生活のことを真剣に考えてくれる?
・・・はい。
妻:早くラボ持って、あたしをラボテクとして雇うっていうのはどう?我が家の収入も増えるし、わからないことがあったらあなたにやってもらえばいいから、あたしも楽だし。
・・・なんかいらん苦労が増えそうなんですけど。
妻:家計が楽になるんだから、大して役に立たなくたっていいじゃん。
役に立たないどころか、マイナスだと思われるので、絶対に雇いません(-_-#
- 2007/05/05(土) 10:38:00|
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