来春に学位審査を控える大学院生M(現在臨床研修中)から、ボスの面白い写真を持っていたら取っておいてくれ、と頼まれた。
こちらの Thesis Defense、いわゆる学位論文公聴会は、緊張感溢れる日本のそれとは随分趣が異なる。
通常、三部構成となっており、まず始めに指導教官が、
わざわざこのために作ったスライドで、のっけからユーモアにあふれた発表者の紹介を行なう。発表者は、苦笑しながらも引き続き学位論文の研究を真面目に(<当たり前)発表する。そして、45分ないし60分の発表が終わると、謝辞と称して、
「うちのボスはこんなにお茶目なんです」 というスライドを何枚も見せて、自分がやられた紹介の仕返しをする。
これまでに聴いた Defense は、例外なくこのパターン。
・・・この国の人間は、なんにでもジョークを入れないと気が済まないらしい。 で、Mの依頼だが、うちのボスは非常に脇が甘いので、その手の写真はなんぼでもある(^^)
うちの娘のタイツを頭にかぶっている写真とか。 パイ早食い競争で、顔中パイだらけの写真とか。 Mの Defense がとても楽しみである。
スライドといえば、日本にいた頃、私はなぜか友人の結婚式の披露宴でスライド係を頼まれることが多かった。新郎新婦の思い出の写真を披露しながら、適当にナレーションを入れる奴である。
使用する写真は、もちろん事前に新郎新婦と相談して決める訳だが、そこはそれ、なにかサプライズを入れたいのが人情というもの。毎回必ず、当日まで当事者には秘密で、写真やそれにまつわるエピソードを紹介していた。
あるとき、大学の陸上部の同期MとSの披露宴で、スライド係を頼まれた。両方ともよく知っていたので、適当にからかいつつも、スライドショーは和やかに進行していった。おちゃらけ写真などである程度盛り上がったところで、いよいよクライマックス。
私:仕事上の都合でずっと遠距離だったお二人ですが、実はこのとき、新婦のSさんは初めてM君のいる福岡に遊びに行った訳であります。お二人の話では、
このとき二人でホテルの窓から見た博多の美しい夜景が忘れられないのだそうです。
新郎新婦感動の場面。・・・のはずだったが、ふと見るとなぜか二人とも顔面蒼白。後でMにこっぴどく叱られた。
M:アホかお前(-_-#
『初めて』『遊びに』行って、
『ホテル』の『夜景』って(-_-##
親族のテーブル、めっちゃシーンとしてたわ(-_-### どうやら、そのときSは友達の家に泊まることになっていたらしい。
まあ、
「研究界のハマグリ」と呼ばれるくらい、口の堅さには定評のある私でも、間違いは起こり得るのだ、と。
(こやつに秘密を打ち明けてはいけません by 妻)
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- 2007/10/17(水) 05:08:37|
- 若気の至り ―蘇る黒歴史の数々
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