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続・罠

 
 Stanford の動物実験施設はセキュリティが厳しい。マウスやラットの飼育室に入るだけでも ID カードによる何重もの関門があるし、霊長類を扱う研究の場合は、許可がないとそもそも実験室に入ることすらできない。取り扱いがほとんどザルの RI (Radio-isotope: 放射性同位体) と比べると、雲泥の差である。

 しかしこれを厳しいというのは、あくまで日本の「大学」と比較すれば、の話。かつて所属していた理研での動物取り扱いの厳重さはこの比ではなかった。


 まず、動物飼育エリアに一歩でも足を踏み入れるのに、使い捨てのマスクや足袋はもちろんのこと、上から下まで体をすっぽり覆う宇宙服みたいな代物を着なければならない。しかもこの服、一度でも着用したら滅菌してからでないと再着用できない。

 動物実験はセキュリティエリア内で行なうのが原則。いったん外に持ち出した場合、病原菌・ウイルスなどの飼育動物への感染を防ぐため、再び中に持ち込むことは許されない。

 正直に言えば、面倒なこと極まりなかったのだが、外部の人間から見れば、動物実験に携わる以上、このくらいはやって当然なのだろうと思う。


 しかし。


 ドアを開けるための指紋による生体認証システム。あれはいかがなものであろうか。


 当然のことながら、まず指紋を登録しなければならない。指を機械に押し付け、指紋の画像がパソコンに取り込まれるのを見ながら、隣にいた後輩に

「これでもう悪いことはできないな」

と軽いジョークを飛ばす。が、ラボに戻ると、

「これでもう悪いことはできないねぇ」

 同じギャグがあちこちから聞こえてきて、少しへこんだ記憶が(-_-)




 今はどうなっているのか知らないが、私が所属していた当時は、動物飼育エリアの入り口はもちろん、飼育室に到達するまでに最低2回、更になぜか飼育エリアを出る際にも、指紋認証によるドアの開錠が必要だった。


 そうまでしてネズミを盗みたい人がいるとは思えないのだが。


 この「無駄に厳しい」システムのせいでえらい迷惑をこうむったのが、同じラボのポスドクだったTさん。


 彼女が飼育室に向かうと、かなりの確率で内線電話がかかってくる。


Tさん:ごめんね~。また出られなくなっちゃった~(;_;)


 指紋が薄いTさん、指を何度機械に押し付けても、なかなか指紋が認識されない。運良く入れたのが逆に運のつき(^_^; 今度は出るに出られず、進むに進めず。途中でトラップされて、内線電話と相成る。


ポリ:Tさん、何か指紋を消したい過去でもあるん・・・

Tさん:・・・百回聞かれた(-_-#


 やっぱり、どいつもこいつも同じギャグ(-_-)


 ま、研究者のギャグセンスなんて、所詮そんなもん。
 
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  1. 2009/02/18(水) 05:49:32|
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